初級管理者は学ぶための指針に、中級管理者は理解してることの確認に使える本 2004-04-14 ざっと読んでみました。大きくは ・リスク ・アクション ・コスト ・テクノロジ というあたりをはじめとして、実に欲張った内容をよくこの書籍1つに詰め込んだなぁ…というのが正直な所感です。ページ数が限られてることもあり、それぞれのテーマについての内容の濃淡はありますが、セキュリティというものに対する氏の思想と経験、そして知識が余すところなく詰め込まれた逸品といえましょう。 ただ、欲張った内容になっているが故の不満というのもあります。本書籍が「パーフェクトな初心者のみ」を対象にしたものと仮定した場合ですが… それは、知らなければならないところのいくつかが文章による解説のみで終わっているという点です。具体的な例を挙げると、AirH"に関する記述の部分などがそれにあたりますが…。 AirH"に限らないですが、このような裏口の存在については「誰にでも作れて」かつ「作成という行為が意味することが理解できない人が多い」以上、「具体的に何が起こりうるのか?」というあたりをきっちりとわからせる(図でもなんでも使って)というあたりが必要であっただろうと考えます。 これを勘案すると、本書のターゲットは以下のような層を狙ったものと推測します。 ・中級になりたてもしくは初級を脱出するレベルのシステム管理者 ・お金(管理)には詳しいがITには疎いマネージャレベル以上の人 こう考えるとつじつまが合う内容は多くなります。 システム管理者として「中級になりたて〜」がターゲットと書きましたが、表現は平易で読み易く、管理者になりたての人が読んでも「とりあえずは」読み進めるでしょう。その上で理解が難しい観点や概念、技術的内容が出てきたら、そのたびにまた別の情報をあたるなどするようにしても良いでしょうし、わかる人に質問してもいいでしょう。 まとめると、この書籍を読むことで、 ・初心者はこの書籍を読みこなすことで、ひととおりの観点が身につくだろうし ・中級者はこの書籍を読み流すことで、見落としてた観点のチェックが出来るだろう と考えます。
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